寒いためか、ご来店のお客さんが少ない。本が読める。そこで、本の紹介。
あるお客さんから「お坊さんカフェをして」と言われ、お坊さんを紹介された。倉敷の佐伯師だ。私の息子ぐらいのこの方は、物静かな語り口で、新見市出身でインド在住の笹井秀嶺上人について話してくださった。この方とのインド巡礼の旅について映像を交えて話してくださるという。
佐伯師と対面した後、件のお客さんが、1冊の本を持ってご来店。県立図書館から借りたものだった。この本を手に入れたいというのだ。初版1993年。結構古い。そこに笹井上人が登場するという。「ガンジーの見方が変わったわ」という彼女の言葉に惹かれた。その気になった。
『夜明けへの道』岡本文良作
主にアウトカースト出身のアンベードカルの物語だが彼とは面識のない日本の僧侶であった笹井上人がその意志をついでインド仏教の再興に立ち上がって行く物語である。
アンベードカルも笹井上人もインドの宗教の現状さえ知らないまま、笹井上人の活動を日本で支えてきた佐伯師にあったのである。惹かれるままに本を手に入れ読みふけった。インドの仏教の現状といえば私の認識は「女盗賊プーラン」の暗殺で停まっていた。アウトカースト出身のプーランもまた仏教徒に改宗していたことは知っていた。
『女盗賊プーラン(上)(下)』草思社
売れてしまってもうない。本人の著書。
『女盗賊プーランは誰が殺したのか』 KKベストセラーズ 黒田龍彦
確かに私の読んだ本である。2001年12月出版。彼女が殺されたのが同年7月。緊急出版されたものといえる。彼女の暗殺は予想させていたもののようである。これがインドの、いや世界の現状であろう。
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