「クワイ河に虹をかけた男」の音楽を近所のカフェのマユちゃんが手掛けたと聞いて行ってきました。タイとビルマ(現ミャンマー)を結ぶ泰緬鉄道は多くの連合国軍捕虜やアジア人の強制労働によって建設されました。
映画『戦場にかける橋」で生半可にクワイ河を知っていた私は、一刻堂を開店してまもなく、大量に入った古本の中に「クワイ河捕虜収容所」のもとになる本を見つけ、ページを開きました。「出版元 青山英語学院」住所は倉敷市某とあるだけで、値段もついていない単行本。鉛筆書きのイラストには所々英語でメモ書されている。訴えてくる怒りと悲しみに圧倒され、しかるべき方が買い求めてくださればと、値をつけて並べました。程なく売れていきました。
最近、永瀬隆と墨書された社会思想社の文庫本が入ってきました。そういえばあの値段のついていなかった「青山英語学院」本にもあったような気がします。青山英語学院は永瀬さんが経営されていた私塾だということをこの度知りました。永瀬さんはよほど私に伝えたかったものと思います。
開店間もないころは、値付けの仕方さえ分からない状態で、ろくに本に目も通さずに仕分けしていました。それでも気になるこの一冊、深く心に刻みました。
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