店のお客さんで、歴史好きの若い友だちでもあるDくんから、一昨日電話が入った。
縄文野焼きの仲間でもある。野焼きの頃、連絡が取れなくて心配していたのだが、元気な声だった。
「今熊本に向かってるんやけど、幣立神社って知ってる?」
これまでのいきさつを質問している暇も与えられずいきなりの問い合わせである。どうやら道に迷っているらしい。彼のためにパソコンの場面を切り替えた。郷社ながら立派なお社とかなり広い敷地を持つようである。なのに地図が見つからない。道路マップを傍らに置いて、パソコンに向かい、携帯を耳あてた。住所と地図からだいたいが分かったからだ。やっぱり紙ベースの方が分かりやすい!
現在、竹田城ということは、阿蘇山を回って行くことになる。くれぐれも気をつけて、 また連絡するよう伝えて携帯を切った。
幣立神社についてパソコンで調べた。それだけでは足らなくて、知っていそうな人に訪ねた。とんでもなく重要な神社であることが分かり、彼の安否を気遣って、夜には電話してみたが通じなかった。
今朝になって、店の準備に追われていると、携帯が鳴った。現地は、報道されていることから思い描いていた情況とはまるで異なっているようである。幣立神社のことはどこかに飛んでしまっていた。
「御飯作ってあげて、喜ばれたよ。大根の煮付け、大根皮のきんぴら…」
「材料も積んでいったの」
彼は軽トラに米と七輪を乗せていつも岡山にやってくる。今は、徳島在住(のはずだ)それに大工道具も乗せてきたというのだ。
「食材も?」
「それは、近くの赤字になった店の人が提供してくれて、みんなの夕飯を作ってあげたんだ」
私は、彼が今、目の前にしている光景を理解し、共有したかった。そんな質問ばかりした。てきた。
「阿蘇大橋の前にいるよ。道が三方向に分かれるところ。誰もいない。川の流れも変わってしまって、木も生えていない。それがもとからそうだったように綺麗な流れになって流れている」
「生まれ変わったんだ」
私の口をついて出た言葉は、直截な感想だった。 続く
0 件のコメント:
コメントを投稿