2015年9月26日土曜日

秋分の日、地球の平和を祈る4

 一足違いで東日本大震災から復活した樹の精霊の声を聴くことはできなかった。
どうやらトークの前に中澤きみ子さんのバイオリン演奏があったもよう。映画に出てくるのと同じ曲とのこと。宗幸さんが流木の中から柱だった木を選んで津波バイオリンを制作し、最初に引いたのはもちろんきみ子さん。
 チェロの最初の演奏者について製作者に監督さんがリクエストを聞いたら、ヨーヨーマさんと回答。監督はこの願いをかなえるため、ヨーヨーマさんに交渉。世界的チェロ奏者も精霊の声を聴いた。コンサートでのアンコールに津波チェロで演奏すると約束したそうだ。きみ子さんの談によると、初演奏以来、かなりの奏者に奏でられた津波バイオリンを再びここ能舞台で演奏してみて、これまでとはまた異なった声で響き語りかけてくれた。時、場所、そこに集う人々の気によって語りかけてくれる声が異なる。聴きたかった…是非聴きたい!
 トーク内容の紹介はここまで。
 天河神社から大きな記念碑が見えた。中澤さんと握手を交わした後、百メートルほど先の碑まで行ってみた。「南朝黒木御所跡」周辺には土嚢がいくつも積まれていた。土砂崩れの警戒警報が発令されていたので、それ以上近づくのはやめた。自然は優しいが厳しくもある。洞川の水はいずこも澄んで美しいが、龍泉寺で澱んだ池を見た。隣の池では地下から盛んに湧水があり、流れて綺麗な水なのに。この二つの池は石で区切られていた。混じらないようにであろう。澱んだ池は底がコンクリートされていた。湧き出ることも流れ出ることもない水は池の中で腐敗するしかない。人の手の加えようによっては、水を殺し、自然破壊となる。
丹生川
天河周辺を襲った土砂災害は大変な被害をもたらしたようで、未だ復旧工事が続いていた。それでも人は自然が災害ばかりでなく恵みを与えてくれることを知っている。自然が循環するように、その中に人も位置づいていれば再生は可能なのだ。
南朝黒木御所の碑

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